小説コロのページです。

コロ第9章3話
コロは難波宗の咆哮そのものとなり、秋菊ゴールへ飛んでいく。
完全にフリーの状態から放たれた、最高のシュート。
その球速、コース、タイミング、全て彼の15年の生涯の中、最高のものといってよかっただろう。
...

コロ9章第2話
「終わった」
――その瞬間、そう思わなかった者は、一人や二人ではあるまい。
地響きのような悲鳴と歓声の真ん中で、秋菊イレブン――、とりわけ護が下を向いている。
「みんな、すまねえ、すまねえ!」
誰よりも大きな...

コロ第8章1話
『これでもう、君に教えることは何もない。免許皆伝というやつだよ、成通(なりみち)』
『偉そうに言っちゃって。何もないもなにも、そもそも教え過ぎなんだよ。頭と体が壊れるかと思ったよ』
『そう言うん...

コロ!!第7章3話
試合が始まり成と共にフィールドを駆け回っても、コロの気持ちは沈んだままだ。
とはいえ思兼の心配していたようなことは起きず、むしろ成の調子はいつにも増してよい。
体に連戦の疲れはなく、羽が生えたような軽さを成が感じているこ...

コロ!! 7章第2話
「どうよ、どうよ? この盛り上がり、想像以上でしょう? 凄いでしょう? さあ、序列最下位のフンコロの神よ、この太陽神様を褒め称えて、クウンと鳴きなさい」
「何を言ってんるんだ。この頭も胸も空っぽの邪悪な神め! 今度という今度...

コロ!! 第7章1話
7-1話
「なんじゃこりゃあ!」
このセリフを発するのは、もう何度目だろうか?
決戦の日、時刻は朝7時。
朝食をとる成の肩の上、コロは雄叫びをあげ卒倒した。
「いやー、驚きましたねえ」
...

コロ!! 第6章2話
6-2話
「凄い! 二人共、中学生のレベルじゃない!」
もう空中に、三十合は打ち上げられただろうか。
コロは感嘆の声を漏らしそうになった。
雨は少しも勢いを緩めず、すぐ横を流れる河川は、更にその嵩を増...

コロ!! 第六章 1話
『やったじゃないか! 鳥居の陰から見守っていたけれど、たいしたもんだ。ボクも稽古をつけた甲斐があるってもんだよ』
『ふふん、これが実力ってもんさ。もう誰も僕にかなうもんか』
『おやまあ、まったく、ちょっと褒めるとこれだからなあ...

コロ!! 第五章2話
『1-0』
「強い強い! このままじゃ、勝負が決まるのも時間の問題ね。行け行けー!」
ピッチ上空で観戦している天照が、無邪気に声をあげている。
試合は前半15分、――前後半あわせて60分の中学サッカーでは、試合時間...

コロ!! 第五章1話
5-1
『悪かった。僕が本当に悪かった。もうお前の言うことを、疑ったり軽んじたりしないよ』
『やれやれ、まあ分かればいいさ。以外に早く、思い知る機会があってよかったよ』
『ああ。自分に問い、それに答え、また自分に問う。練...